ブンティットヌン(Bún thịt nướng)とは、米麺のブンに、香ばしく焼いた豚肉、野菜、香草、ピーナッツなどをのせ、甘酸っぱいヌクチャムをかけて混ぜて食べるベトナム料理です。特にホーチミンをはじめとする南部で親しまれています。
見た目はブンチャーに似ていますが、ブンティットヌンは一つの器で混ぜて食べるのが基本です。辛さは強くないことが多く、焼き豚の甘辛さ、香草の爽やかさ、ヌクチャムの酸味と塩味を一度に楽しめます。
ブンティットヌンとは?名前の意味と基本情報

ベトナム語ではBún thịt nướngと書きます。単語を分けると、料理の内容がそのまま分かります。
- Bún(ブン):米から作る丸い細麺
- Thịt(ティット):肉
- Nướng(ヌン):焼く、あぶり焼きにする
直訳すると「焼肉をのせたブン」。フォーと同じく米を原料とする麺ですが、平たいフォーとは形が異なり、ブンは細い丸麺です。スープ麺ではなく、常温または冷ましたブンに温かい焼き肉と具材を重ね、タレをかけて食べます。
| ベトナム語 | Bún thịt nướng |
|---|---|
| 主な地域 | ベトナム南部を中心に各地 |
| 料理の種類 | 汁なし米麺・混ぜ麺 |
| 主な味 | 甘辛い、甘酸っぱい、香ばしい |
| 辛さ | 基本は強くない。唐辛子で調整 |
ブンティットヌンの味と主な具材

ブンティットヌンは、焼き豚だけでなく、野菜、香草、ピーナッツ、なます、ねぎ油などを組み合わせる料理です。店や家庭によって具材は異なります。
甘辛く焼いた豚肉
主役は、魚醤、砂糖、にんにく、レモングラスなどで下味をつけて焼いた豚肉です。炭火で焼く店では香ばしさが際立ちますが、すべての店が炭火を使うわけではありません。薄切り肉、ばら肉、つくね状の肉など、形にも違いがあります。
野菜・香草・ピーナッツ
- レタス、きゅうり、もやし
- ミント、タイバジルなどの香草
- 大根とにんじんのなます
- 砕いたピーナッツ
- ねぎ油(mỡ hành)
揚げ春巻きのチャーゾーを加えたものは、Bún thịt nướng chả giòと呼ばれることがあります。香草やピーナッツが苦手な場合やアレルギーがある場合は、注文前に確認してください。
味をまとめるヌクチャム
仕上げにかけるのは、魚醤をベースに砂糖、ライムや酢、にんにく、唐辛子などを合わせたヌクチャム(nước chấm)です。甘味・酸味・塩味が合わさり、肉、麺、野菜を一つの味にまとめます。
タレの甘さや濃さは店によって異なります。最初から全部かけず、少しずつ加えると自分に合う濃さに調整できます。
ブンティットヌンの食べ方
- 添えられたヌクチャムを少量かける
- 器の底にあるブンを持ち上げ、肉・野菜・香草と混ぜる
- 味を見ながらタレや唐辛子を追加する
決まった順番があるわけではありません。香草を少しずつ混ぜたり、焼き豚だけ先に味わったりしても大丈夫です。唐辛子が別添えの場合は、辛さを確認しながら加えてください。
ブンティットヌンとブンチャーの違い
ブンチャーも、ブンと焼いた豚肉、ヌクチャム系のタレを組み合わせる料理です。主な違いは地域と提供方法にあります。
| 比較 | ブンティットヌン | ブンチャー |
|---|---|---|
| 主な地域 | 南部 | ハノイを中心とする北部 |
| 盛り付け | 麺・肉・野菜を一つの器に盛る | 麺、香草、焼き肉入りのつけ汁を別々に出す |
| 食べ方 | タレをかけて混ぜる | 麺と香草をつけ汁に加えながら食べる |
| 肉 | 焼いた豚肉が中心 | 薄切り肉とつくねを組み合わせることが多い |
どちらにも地域差や店ごとの違いがあるため、タレの温度や具材だけで厳密に区別するのは難しい場合があります。器が一つならブンティットヌン、つけ汁が別ならブンチャーと考えると見分けやすいでしょう。
フォー・フーティウとの違い
フォーは平たい米麺を使うスープ料理が中心です。フーティウは南部で親しまれる麺料理で、汁あり・汁なしの両方があります。ブンティットヌンは丸い米麺のブンを使い、焼き肉と野菜を混ぜて食べる点が特徴です。
自宅で作るブンティットヌン
市販の乾燥ブンと魚醤があれば、家庭でも再現できます。肉の漬け込みやヌクチャムの配合には多くの作り方があるため、ここでは基本の流れを紹介します。
- 豚肉を魚醤、砂糖、にんにく、レモングラスなどに漬ける
- ブンを商品の表示どおりにゆで、水気を切る
- 豚肉をグリルまたはフライパンで中心まで十分に焼く
- 器にブン、野菜、香草、豚肉を盛る
- 砕いたピーナッツやねぎ油をのせ、ヌクチャムを添える
フライパンでも作れますが、焼き目をしっかりつけると香ばしく仕上がります。生肉を漬けたタレは、そのまま食卓用のタレとして使わないでください。
ホーチミンや日本で食べるには
ホーチミンでは、看板やメニューに「Bún thịt nướng」と書かれた食堂や屋台で探せます。営業時間や営業場所が変わりやすい店もあるため、訪問当日に地図情報や店の公式SNSを確認してください。
日本では、南部ベトナム料理を扱う店や、ブン料理が充実した専門店で見つかることがあります。常設メニューとは限らないため、店舗へ行く前に最新メニューを確認すると確実です。
ブンティットヌンについてよくある質問
ブンティットヌンは辛いですか?
基本の料理は強い辛さではないことが多いですが、ヌクチャムに唐辛子が入る場合があります。辛いものが苦手なら、タレを少量ずつ使い、追加の唐辛子を避けてください。
ブンティットヌンは冷たい料理ですか?
ブンや野菜は常温または冷ました状態、焼き豚は温かい状態で盛られることが多く、冷麺のように全体が冷たいとは限りません。
ヘルシーな料理ですか?
野菜や香草を一緒に食べられますが、豚肉の部位、揚げ春巻き、ねぎ油、ピーナッツ、タレの砂糖や塩分によって内容は変わります。「野菜が多い=低カロリー」とは限りません。
まとめ|ブンティットヌンは南部ベトナムの香ばしい混ぜ麺
ブンティットヌンは、米麺のブンに焼き豚、野菜、香草をのせ、甘酸っぱいヌクチャムをかけて混ぜる南部ベトナムの料理です。焼き豚の香ばしさと香草の爽やかさが合わさり、スープ麺とは異なる食感を楽しめます。
ホーチミンで麺料理を探すときや、日本のベトナム料理店でフォー以外の一皿を試したいときは、メニューの「Bún thịt nướng」を探してみてください。







