中国には様々な麺料理が存在します。ご飯よりも麺を食べているというくらい、中国国民は麺が大好きで、麺の種類もスープも地域によって多種多様。
最近では、日本でも「ガチ中華」ブームが起き、本場中国のラーメンが食べられるお店が増えてきております。
この記事では、中国で10大麺料理と呼ばれる、中国のラーメンの特徴と発祥の地、中国に行っても注文できるように中国語の読み方と共ににご紹介します。
新しいガチ中華ラーメンを探すのにも役立ちます。料理の特徴を知っておくと注文する際に便利になること間違いなしです。
そもそも日本でいう、ラーメン(拉麺)とは、中国では一般的に麺の種類を指し、日本のラーメンのことは日式拉麺(読み:Rì shì lāmiàn)と呼ばれ、中国のラーメンとは異なる位置付けで食されています。よく中国人に言われたのは、日本のラーメンは濃すぎる、しょっぱすぎると言われることがありますが、それは中国人はラーメンはスープも一緒に飲んで堪能することが多く、味付けが飲まれることを想定しているため日本ほど濃くないものが多いです。その代わりに使われるスパイスや出汁に特徴があるラーメンが多い傾向があります。そしてネーミングにも特徴があり、地方独特のものや発祥のものには、麺の名前の最初にその地方の名前がつく傾向にもあります。例:蘭州拉麺
中国10大ラーメン・麺料理: 兰州拉面(蘭州拉麺:らんしゅうラーメン)
蘭州拉麺(らんしゅうラーメン、中国語: 兰州牛肉面)は、牛肉のスープに、手打ちで伸ばして茹でた麺を入れた料理。
蘭州拉麺は唐の時代に始まったと言われ、シルクロードの重要な中継都市の中国蘭州市の発祥のラーメン。イスラム的価値観に沿って料理された「ハラール、中国語:清真」料理の一つで、豚肉やアルコール、血を原材料としません。
豚肉を使用する料理が多い中国ですが、この蘭州拉麺は中国全土にコンビニの数にも勝るほど数多くあり、中国国民に愛される中国ラーメンの一つです。地元中国では、牛肉面と呼ばれることが多く、その名の通り、牛骨で出汁を取り、数十種類のスパイスで5時間以上煮こみ、色はクリアなスープが特徴的です。トッピングに大根、チリオイル、パクチーなどがトッピングされて、白、赤、緑と彩りも豊かな麺料理。
注文すると、その場で店主が手慣れた手つきで手打ちで麺を伸ばして、茹で上げで提供してくれます。そんな労働コストのかかる料理ですが、中国ではびっくりするほどお手おごろな値段で提供されています。
また、この蘭州拉麺はほとんどの店が閉まってしまう春節時にも営業してくれており、中国在住外国人には嬉しい存在です。
中国語名:兰州拉面 Lánzhōu lāmiàn
発祥の場所:蘭州省
十大中国麺料理:河南烩面(Hénán huì miàn)
河南烩面は河南省発祥の中国ラーメンです。一番一般的なのは、羊肉ベースの羊肉烩面で、蘭州拉麺のお店でも提供されることが多いラーメン。
羊の肉と骨を5時間以上煮出し出汁をとり、その後漢方薬と合わせてまた数時間煮込みます。牛乳のような白いスープが特徴的で、濃厚な羊骨の出汁の効いたラーメンです。トッピングはお店により様々ですが、代表的なのは青菜、キクラゲ、羊肉、うずらの卵、トマト、パクチー、等です。麺はうどんのようなもちもち弾力した麺を使用します。辛くないので、辛いのが苦手な人にもおすすめです。
発祥の場所:河南
中国語名:Hénán huì miàn
味:濃厚、辛くない、薄味
十大中国麺料理:北京炸酱面(ジャージャー麺)
北京炸酱面は北京発祥の北京料理の一つです。
日本でも、ジャージャー麺の名で親しまれている炸酱面。いろんな地域の炸酱面がありますが、有名なのは、北京発祥の北京炸酱面。
中国料理で使用される調味料、干黄酱、豆板醤(辛くない方)、甜麺醤(一番大事な調味料)、香味調味料と肉を炒め、茹でた麺と絡めて、トッピングの野菜と一緒に食べます。
本場のものは少し辛いですが、甜麺醤も入っており甘さがあるので辛いのが苦手な人でもおすすめです。
発祥の場所:北京
中国語名:北京炸酱面 (Běijīng zhá jiàng miàn)
十大中国麺料理:山西刀削面
刀削面は中国の山西省に住む漢民発祥のラーメンと言われています。刀削面とは、漢字の通り、包丁で削る面と書き、刀削麺を削る職人が存在します。刀削麺は削った麺を茹でたお湯にそのまま投げ入れるのが特徴で、表面が直接茹でられるので、茹で時間が短時間ですみ、麺とスープがよく絡み、モチモチの食感が味わえます。
発祥の場所:山西省
発音:山西刀削面 (Shānxī dāoxiāomiàn)
十大中国麺料理:杭州片儿川
杭州発祥のラーメン杭州片儿川はカラシ菜、たけのこ、しっかりマリネされた薄切りの豚肉を炒めた具材で構成されるシンプルな麺料理。日本のラーメンと異なり、さっぱりしているのが特徴。旨味成分が凝縮されており、シンプルな材料でこんなに美味しいラーメンができるのかとびっくりします。
発祥の地:杭州
中国語名:杭州片儿川(Hángzhōu piān er chuā)
十大中国麺料理:昆山奥灶面
上海と蘇州の間にある昆山という街の発祥の麺料理。特徴的な0.8mほどの細い麺を使用します。「红油爆鱼面」と呼ばれる、揚げた魚が乗った醤油ベースのスープと、アヒルで出汁を取ったクリアな味わいと色のスープがベースの「白汤卤鸭面」の二種類が特に有名です。肉ではなく魚介ベースで出汁を取る蘇料理の特徴的な麺料理の一つです。
発祥の地:江蘇省昆山
中国語名:昆山奥灶面(Kūnshān ào zào miàn)
十大中国麺料理:镇江锅盖面
ネギの香りを移した醤油ベースのタレに、ピーマン、ネギ、もやしなどの野菜が盛りだくさんの少し醤油ラーメンに似たラーメン。清朝にはじまったと言われ、江蘇省の鎮江市の伝統的な麺料理の一つ。
発祥の地:江蘇省鎮江
中国語名:镇江锅盖面 (Zhènjiāng guō gài miàn)
十大中国麺料理:四川担担面(タンタン麺)
辛い料理で有名な四川発祥の料理で、日本でも馴染みのある中華料理の一つですが、最も日本で独自に進化してしまった中華料理の一つがこの担担面でしょう。本場の坦々麺は別の料理とも思えるくらい、全く異なっております。
まず、坦々麺は
- 肉
- 麺
- 炒臊子(炒めた肉)
- 炒芽菜(青菜の芽の部分だけを使って作る四川省の家庭で愛されるする漬物の一つを炒めたもの)
- 酱汁と呼ばれるタレ
- 花椒や数種類のスパイスと一緒に油で揚げた红油
- 花生碎と呼ばれる揚げたピーナッツを砕いたもの、トッピングの野菜、
で構成される麺料理です。なので、肉と麺と汁で構成されている日本の坦々麺とは全く異なった味となります。弾力のある麺を使用し、ピーナツのサクサク感など様々な食感、红油の香りを愉しむ料理です。四川省では日常的によく食される麺料理です。
芽菜と呼ばれる調味料は、四川ではどの家庭にも常備されている、四川料理でよく使われている調味料。日本でも中華系のスーパで手に入ります。
発祥の地:四川
中国語名:四川担担面(Sìchuān dàndàn miàn)
味:塩辛い。红油の嘛という痺れるような辛さが特徴的。
十大中国麺料理:武汉热干面(武漢の熱乾麺)
武汉热干面は、中国国民に愛されている武漢発祥の麺料理。武漢だけでなく中国の至る所でスナック感覚で食べられています。まさに中国国民のソウルフード。
武漢では、朝ごはんを食べることを、「过早」と呼ばれ、热干面は武漢では朝食としてもよく食べられます。
卤水というタレに芝麻酱と呼ばれる練り胡麻ダレ、浇头と呼ばれるトッピングをのっけてを混ぜて食べます。
卤水は塩、醤油、酒、生姜、数種類の漢方スパイスと、豚や鶏の骨を煮出してつくるタレです。中国では一種の調味料として、いろいろな料理に使われています。
胡麻だれをつけて食べるので、台湾の麻酱面に少し似ている味です。
発祥の地:武漢
中国語名:武汉热干面(Wǔhàn rè gān miàn)
十大中国麺料理:吉林延吉冷面
延吉冷面は、中国の吉林という場所発祥の、朝鮮人の伝統的な麺料理です。韓国料理の冷麺に非常に似ている料理です。
スープは、牛または豚ベースで作られます。食べるときは、ボウルに少量の冷やしスープと適量の麺を入れ、調味料を加え、最後にもう一度スープを注ぎます。麺は蕎麦粉でできた、弾力のある特製の麺を使用し、辣椒酱と呼ばれるスパイシーなソース、キャベツ、肉のスライス、卵、きゅうりの細切り、ネギなどと一緒に食べます。
発祥の地:吉林
中国語名:吉林延吉冷面 (Jílín yánjí lěng miàn)
味:酸っぱくて甘くて辛い
十大中国麺料理とは?まとめ
中国にはこのように様々な民族、文化を反映する麺料理が沢山あります。日本で馴染みのある料理から、想像もしなかった麺料理まで、日々新たな発見があり中国麺料理の奥深さに驚かされます。
中国のラーメンには、味だけではなく、歴史、文化、料理の工程の複雑さまで、日本のラーメンとはまた異なった魅力が存在します。
最近では、日本でも中華料理のお店で中国のラーメンが食べられるお店が増えてきているので、ぜひ見つけたら試してみてください。
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