中国には、10大ラーメンと呼ばれる偉大なラーメンがあるが、そこは入っていないが国民に愛されている、家庭で一般的に食べられるラーメンというのが存在する。
上海蟹やら、高級中華料理も食べてきた筆者が、中華を一周回ってたどり着く中華系ラーメンがある。それが中国人の誰しもが一度は食べたことのある鉄板家庭料理のトマトと卵のラーメン「西红柿(番茄)鸡蛋面」だ。
トマトは中国語で、西红柿または番茄と言い方が複数ある。地域によって異なるが台湾や大陸南部では番茄と呼ばれることが多い。
鉄板すぎて、もはや中国八大菜系のどの系列にも分類されておらず、中国のどこへ行っても食べられる。カップラーメンとしても売られている。

そもそも筆者は辛いのが苦手でラーメンとか肉肉しくコテコテしたものも好んで食べる方ではないので、中華料理は合わないものも多いのだが、これに関しては、初めて食べた瞬間ビリっと衝撃がはしってしまった。
こんな美味しい中華ラーメン、なんで日本で食べたことなかったんだ?
中国へ来ると、中華料理の多様さに驚かされる。日本で知られている中華料理ってほんの一部に過ぎないのだなと思わされる。
おそらく、この「西红柿(番茄)鸡蛋面」は横浜中華街にもバーミヤンにすらないだろうし、中国人からしたら超普通過ぎるメニューなのだろうから、日本でレストランに出そうという発想にいたらなかったのだろう。
いや、過小評価されすぎている。出していい。だって美味しいし、日本人好きだよこの味(トマト好きの筆者が勝手に代表してる)。言い過ぎた、サラダバーとか行っちゃう野菜好きの女子は好きだよ。
そもそも日本ではトマトはサラダなどで生で食され、あまりトマト自体を加熱する料理が少ない。トマトを加熱=欧米料理の印象が強い気がするが、中華料理では頻繁に使われている。

トマトって、こんなに多彩で多才
と思わされてくれる。
日本は寿司に代表されるように、素材そのものを生で生かす食べ物が多いが、中華料理では様々な料理法が確立されており、調理法により素材の持ち味を最大限に引き出す料理が発達している。
この「西红柿(番茄)鸡蛋面」もその一つで、トマトと卵の素材の持ち味を最大限に生かした甘酸っぱいスープが魅了だ。一見シンプルな料理なのだが、その料理には代表的な素材であるトマトと卵の潜在能力を引き出す工夫が詰まっている。そしてこの食指を目から刺激しまくる緑と赤と黄色のマリアージュ。
中国のどの地域へ行ってもあるし、どのお店に行ってもこの素材から出される旨味が安定の味を保持してくれる。だから中国で旅行行った際にどうしてもその地域の料理の味になれなかったらこの料理を注文する。まず間違わない。
お店によって麺が、刀削面、米粉、などさまざまバラエティーがあるが、基本的な味はそこまで変わりはない。個人的におすすめは 刀削面を使った「西红柿(番茄)鸡蛋面」だ。

お店によっては鳥がらを使うところもあるが、ビーガンでも食べられるお店はある。
作り方は至ってシンプルだが一応紹介しておく。
「西红柿(番茄)鸡蛋面」の作り方
材料
- 卵ー2個
- トマトー2個
- 麺
- 醤油ー少々
- 白胡椒ー少々
- ねぎ
- トマトケチャップー大さじ2
- 塩
- ごま油
- 砂糖
- みじん切り生姜
- 沸騰したお湯
下準備
- トマトをサイの目に切ります。ネギも刻んでおく。
スープ
- 卵1個を割り、よくかき混ぜてときます。フライパン板にごま油を敷いて、卵に火が通るまで炒め、その後フライ板から取り出しておく。
- 切ったトマトをフライ板に入れ、ごま油を少し足して炒めます。みじん切り生姜、トマトケチャップ、醤油、大さじ7杯の沸騰したお湯を加える。
- 2の卵をフライパンに入れ、白胡椒、砂糖を加える。沸騰したら、もう一個の卵を解いて、加えます。卵に日が通ったら、お椀に注ぎます。
麺
- 沸騰したお湯に麺を入れて茹でます。
- 麺が茹で上がったら水を切り、お椀に入れます。
仕上げ
お好みで、ごま油、ねぎ、白胡椒を入れてます。
🔽参考動画
ちなみに大陸だけでなく台湾でも食べられる。おそらく他の中華圏でも同様に食べらられる。筆者はコテコテした中華料理に飽きたら必ずこの「番茄鸡蛋面」へたどり着く。そして、レシピを見てわかるように、日本でも一般家庭にある材料で簡単に再現できちゃう。
なので、ぜひご家庭で試してみてください。と言いたいところだが、やっぱり本場での味を体験して欲しいので中華圏へ行った際には騙されたと思って試してみてください。