深センといえば、アジアのシリコンバレーと呼ばれ、今最もアツい、中国最先端の都市です。
私は今その深センにある、現地スタートアップ企業で働いてます。
今回は、現地のスタートアップ企業で海外就職するまでに、どんな道のりを辿ったのか、仕事の探し方、現地での情報収集の仕方、またはビザの話などを私の経験を踏まえて語ります。
深センのスタートアップに興味がある、海外就職(外資系企業)したいと考えている人の参考になれば幸いです。
中華圏へ興味を持ったきっかけ
私の場合、大学時代も中国語は学んだ事もなく、ものすごく中国の文化が好き、中国が大好き、というわけでもありませんでした。どちらかというと、英語圏、ヨーロッパ圏への憧れの方が強かったタイプです。
ではどうして中華圏へ興味を持ったかというと、一番はじめの衝撃は、北米へ留学していた際、海外での中華コミュニティーの強さに圧倒された事です。
そう、海外へ行くと必ずある、チャイナタウン。あれがコミュニティーの強さを物語ってますよね。あと、やはり海外へ行くと、同じアジア人としての結束は強くなりがちで、そこで仲良くなった人に中華系の人が多く、何ヶ国語も操る彼ら、そして同じ年くらいの人が桁違いに金の匂いをプンプンさせていることに、同じアジア人として、刺激させられるものがありました。
そして日本のお隣で目まぐるしく成長を遂げている中国。情報が閉鎖的でミステリアスの国中国。とにかくそのパワーの秘密が知りたい、日本ではマイナスな面ばかり取り上げられがちだけど、じゃあどうしてそんな風になっているのか、自分の目で確かめたい。
私の場合はそんな競争心と好奇心からでした。
中華圏への就職を視野に中国語を学ぶ
そこでまず実践したことは、中国語を学ぶ事。
最初は、独学で勉強しておりましたが、やはり中国語は独学では習得が難しいと思い、思い切って台湾の台南で留学をしました。
台南にした理由は、当時ベトナムに住んでおり、そこから日本へ帰る中間地点にあった旅行へ行った際に住んでみたいなーと思っていた、生活費が安い、親日だから、という理由からです。
中国と台湾を比較した記事については、こちらで詳しく書いています。また、台湾ではなく、中国で就労しようとした理由についても詳しく書いてます。👇
【アジア文化考察】台湾と中国、住んでみての特徴を比較して見た。
中国と、台湾どちらに留学しようか、就労しようか迷っている人は上記をご参考ください。
留学先は、台南の成功大学の外国人向けの語学学校で合計5ヶ月間くらい留学していました。かなりスパルタな部分もありましたが、結果留学してよかったなと思ってます。
こちらの記事で成功大学についてはいろいろ紹介しています。台湾で留学を考えている人は是非成功大学を検討してみてはいかがでしょうか?
現地の会社に就職するには中国語はどれくらい学べば良いの?
台湾留学する前は、中国語は独学で勉強してましたが、自己流だったため、全く使い物にならず、台湾に行ってから一から学び始め、中初級クラスまで行きました。しかし中国に住んでいる今も流暢とはいえません。
中国にある現地の日系以外の会社で働きたいとなると、やはり中国語力は必須ですよね?
と思いきや実は必ずしもそんな事はありません。
実はどういう職種、会社に就職したいかにもよります。
今の私の働くスタートアップの会社では、実はあまり中国語力は問われていません。
深センにあるほとんどのスタートアップ系の勢いのある会社は、海外進出を視野に入れているところが多いので、英語が喋れるメンバー、外国人が在籍している事が多いです。もちろん中国語ができるに越した事はないですが、むしろ社内のメンバーとのコミュニケーションや文書は英語になるので英語力の方が必要です。
そして日本市場担当なので、きちんとした日本語力というのも今の私の仕事では重要視されています。
深センにあるスタートアップの会社でいうと、IT系のエンジニア職ならば最低限の中国語力とやはり世界に通用するITスキルです。あとはコミュニケーション力とIT英語力。
営業職の場合、現地企業を相手にする場合はやはり中国語力が必要となると思います。
とはいえ、どんな職種で就職するにしろ、中国で生活するにあたり、最低限の中国語は必要となりますので学ぶ必要があると思います。
私のように、とりあえず手っ取り早く中国へ行けるチケットが欲しい。という目的で、もし職種を選ばないのであれば、正直そこまで中国語力がなくても仕事は見つかります。中国語力は問わない。という仕事もありますし、中国語が全く分からず来ていた日本人も中国で沢山会いました。
私は基礎的な単語は理解できるし聞き取りができるため、とりあえず、生活には困らないレベルで中国へ渡航しました。
とりあえず中国へ行くチケットを得るため、現地日系会社へ現地採用として就職
海外の日系以外の会社へ日本から直接就職するというのは、実は至難の業です。
特に今の時期は、企業側からしても海外へいる人材を採用するにはビザの問題がありハードルが高く、すぐに人材が欲しい場合が多いので、現地にいる人を対象に採用。としている企業が多いです。
なので、実は中国へいる外国人というのは、そう行った意味で優位な立場にあるのです。そして中国にいる事で、探せる仕事がぐんと広がります。
そんなわけで、とりあえず中国へ行く事を優先しました。
しかし私が中国での仕事を探し始めた時はちょうどコロナが蔓延し始めている、真っ只中でした。中国で語学学校へ行くという選択肢もありましたが、当時はほとんどの語学学校での学生ビザの配給を停止していました。そのため、中国へ行くには、就労ビザでしか選択肢が残っていませんでした。
そして、一番簡単な方法は日系会社への現地採用として就労する事でした。
日本人向けの中国現地採用で有名な某転職求人サイトに登録したら、割とすぐに仲介会社から連絡が来て、仕事を紹介され、そのまま就労というはこびになりました。
その会社は、日本人を過去に多く採用した経験のある会社で、その業界では有名な会社だったため、その時期にしては、割とすんなりと召喚状を発行してもらえ、ビザが無事取得でき、中国へ渡航する事ができました。
ちなみに今のコロナの状況下では、会社からオファーをもらっても、ビザが取得できないという状況が起きています。私が中国に渡航してきた2020年の10月よりもさらに厳しくなっている状況です。ビザ取得に必要なビザ招聘状発行がさらに厳しくなっていからです。ビザ招聘状というのは、省によって発行されるのですが、大都市、特に上海や北京など外国人の就労人数が多い省は、発行してもらいやすいようです。今の時期に就労を考えている場合、この2つの大都市で仕事を探してみると良いかもしれません。また、会社側にビザ取得までに在宅勤務が可能なのかも確認しておいた方が良いでしょう。ビザ取得できるまでが不確定な今、そういった在宅勤務を許可してくれる会社を就職候補として入れるのは、重要な要素となってくると思います。
外国人向け求人サイトへ登録
私は日系会社以外の企業へ転職を希望していたため、転職にあたり、あえて日本人がよく利用する求人サイトは利用しませんでした。もちろん日本人向けの海外就職者用の求人サイトにも日系以外の企業の求人はありますが、数は少ないですし職種が限られます。
そこで実践したのは、日本人向けではない、外国人向けの求人サイトへ登録しました。
外国人向けの求人サイトはいくつかありますが、以下は日本人の求人もあり、私はとりあえず全て登録してました。履歴書はもちろん英語で書く必要があります。
外国人向け求人サイト一覧
全世界共通
中国在住外国人向け
上海在住外国人向け
こちらのサイトは、部屋探しにも使えます。以下の記事で紹介中。
まず上記の中で、超絶必須はLinkedInです。これを持ってないで外資系企業に就職したいとは言えません。
というくらい、転職時の必須ツール。
もちろん日本での外資系企業転職の際にも使えますし、どこの国へ行っても通用する転職者向けSNS。有名企業のほとんどが利用していますし、深センの有名なスタートアップ企業が登録しています。
これらは登録しておくと、仕事を探す事ができ、興味を持った会社の担当者から連絡が来てやりとりができ、こちらから応募することもできます。
中国に住む外国人はこの上記のどれかの求人サイトで見つける事がほとんどです。
英語教師などは、専用の求人サイト、もしくはフェイスブックのコミュニティーから探す事が多いようです。
人脈を広げる
実は中国での就職に限らず、海外で生活するあたってこの人脈というのはすごく重要になります。出会った人を通して仕事を見つけた、紹介してもらったという事は海外ではよく聞きます。
海外で人脈を広げるためにどうしたら良いの?
日系の会社への転職なら、日系のコミュニティーに参加すれば良いと思います。特に上海の日本人コミュニティーは大きいので、参加すると人脈が広がりますし、そこから知り合った人に紹介してもらえたり、そこで知り合った人の会社で転職した人というのはよくある話です。実際に働いていた日系会社にもそういう人がいました。コミュニティーやイベントは、上海の場合だとフリーペーパーが多く発行されており、フリーペーパー上で探したり、在住日本人向けウェブサイトに情報が載っています。
私は日系の会社への転職は考えていなかったため、日本人のコミュニティーには特に参加しませんでした。その代わりにMeetupを利用して、外国人向けの交流イベントなどに参加したりして人脈を広げつつも、情報収拾をしてました。このMeetupは様々なイベントなどが探せるので、海外にいるときには便利です。転職の情報収集だけでなく、気の合う仲間も探せるチャンスです。
Meetup : https://www.meetup.com/
イベントでどんな情報が収集できるの?
イベントに参加している外国人、中国人というのは、割と外国人を多く雇用している国際的な会社で働いている事が多いです。なので、そういった人たちに、「どうやって今の仕事を探したのか」「なんのサイトを使ったのか」、もしその人の会社が興味のある会社だったら、「日本人を募集してないのか」といった事を聞いてました。
これらは話のネタにもなりますし、初対面の人に仕事の事を聞いているだけなので、自然に聞き出す事ができます。こういったイベントで人脈を広げ就職の情報収集するのはおすすめです。
企業の担当者から連絡が来るように、レジメや職歴を充実させる
上記のジョブサイトに登録したら、仲介会社や企業の担当者からちょこちょこ連絡をもらうようになります。
そして、気になった企業とWeb面接、または現地へ出向いての面接を経て、内定をもらいます。
私も求人サイトを通して、2つの会社から内定をもらいました。なんと、その全てのオファーはすべて深センにあるスタートアップで、会社側からのアプローチでした。
ある会社では、面接に際して発生する交通費とホテル代も提供という高待遇でした。(しかし、実際オファーを承諾したのは別の会社でした)
そして、私が今の会社をどうやって探したのか。というと、上記でも紹介したLinkdInからでした。
興味を持った会社のHRから直接連絡があり、そこからWeb面接を経て、オファーと、期間にして約1ヶ月でした。
実はこの会社の担当者から直接連絡が来るというのは、企業側の採用確度も高く、マッチする可能性も高いのです。面接やオファーまでのやりとりも仲介を挟まないので、直接やりとりでき、スムーズに事が運びます。
残念ながら、自分から応募した会社は、一つも通りませんでした。
そのためには、企業側から興味を持ってもらえるように、レジメの内容や、プロフィールページや職歴などを更新や添削を繰り返して常にアップデートさせる事が必要です。
自分が今までやってきたプロジェクトや経験、スキルなどをしっかり棚卸して、会社の担当者に目を引いてもらえるようにとにかく誇張するくらい大げさにプロフィールを充実させます。
職種名 + resume template などで検索するとたくさんのサンプルのPR文章が出てきますので、その辺りを少し拝借しながら、最終的に自分の文章を組み立てて行きます。(完全なコピペはバレるのでやめましょう)
特に気になった会社がある場合、こちらからアプローチしてみても良いと思います。転職の際はそれくらいの積極性が大事です。
会社をできるだけ円満に退職する
オファーをもらったら次にする事は、働いていた日系会社の退職をする事です。そして、現地転職を考えている場合は、その後ビザの変更手続きというプロセスが待っている都合上、円満と言わないまでも、会社をできるだけ事を荒立てずに退職をする必要があります。その理由は、ビザの変更手続きに必要な書類などを働いている会社からの協力のもとに発行してもらわないといけないからです。
退職する前に、そのほかにもいくつか確認しないといけない重要な事がありますので、こちらの記事もご参考ください。▼
就労ビザ、居留許可書の変更手続きをする
上記の通り、会社を円満に退職できて、ビザの変更手続きに必要な書類を取得したら、就労ビザの変更手続きを行います。この手続きは、会社を退職してからでないとできません。
ほかにも変更手続きに必要な書類を集めないといけないのですが、転職する企業のある省によって少し異なりますので、転職先の人事担当者によく確認する必要があります。
ビザ変更手続きは新規と異なり、必要な書類とプロセスに必要な時間も少なく済みます。この辺りも企業側の人事担当からしても現地在住者が好まれる理由の一つです。
この就労ビザ、居留許可書の変更手続きに必要な期間は二週間から三週間と言われています。
ビザの変更手続きが済んだら、ようやく晴れて転職成功です!
まとめ:海外就職(外資系企業)したければ、まずは現地へ行って、それから転職するのはあり。
以上、深センにあるスタートアップ企業へ転職した私が実践した事を紹介しました。
いかがだったでしょうか?上記道のりは、決して難しいわけではありません。仕事に関しては、タイミングがやはり重要だと思います。根気強く、情報収集を続け、きちんとしたレジメを仕上げれば必ずオファーは来ます。ビザに関しても事前に注意事項を考慮して準備しておけば、何ら恐ることはありません。
もちろん、他の方法もあります。例えば、現地のIT系の学校へ行くとか、インターンシップをするなどです。私の知り合いも深センのスタートアップの会社でインターンを経て就職した友達がいます。
私のように、海外の日系以外の外資系企業に就職を希望している場合は、まずは日系の会社へ就職して現地へ渡航してから、転職するというのも、選択肢の一つとしてありえるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
また、上記は中国に限らず他の国でも共通に言えることだと思いますので、海外就職に興味がある人の参考になれば幸いです。