中国といえば、お茶文化のイメージを持つ方が多いかもしれません。
実際、現地で生活していても、中国茶が日常の中に深く根付いていることは強く感じます。
ただ、中国都市部に住んでいると、「あれ、こんなにコーヒー飲んでいたっけ?」と思う場面が多くあります。特に、年配の方よりも、若い世代ほどコーヒーを選ぶような世代の違いも感じることがあります。
通勤途中にコーヒーを片手に歩く人、仕事の合間にテイクアウトで一杯買う人。こうした光景は、いまの中国の都市では特別なものではありません。
中国のコーヒー文化は、外から見て想像するよりも、ずっと生活に近い場所で広がっています。この記事では、現地での暮らしを通して感じた中国のコーヒー事情や、ローカルコーヒーチェーン、インスタントコーヒーブランドの広がりについて紹介します。
なぜ中国でコーヒー人気が広がっているのか

現地で暮らしていると、中国でコーヒーが広がった理由は、
「ブーム」というよりも、生活の変化に自然に組み込まれた結果だと感じます。
都市化が進み、若い世代を中心に生活リズムが変わりました。
モバイル決済が当たり前になり、テイクアウト文化も完全に定着しています。
朝の出勤前、昼休み、仕事の合間。
短い時間で気分を切り替えたいときに、コーヒーはちょうど良い存在として選ばれています。
私自身も、通勤中にアプリで注文しておき、
オフィスの1階で受け取ることがよくあります。
とにかく待ち時間不要で手軽に注文できる点は、中国のコーヒー文化を語る上で欠かせません。
外から持ち込まれた文化というよりも、
中国の都市生活に合わせて形を変えながら定着してきたことが、
コーヒー文化の広がりを支えているように思います。
中国でもコーヒー豆が生産

意外と知られていないのが、中国でもコーヒー豆が生産されているという点です。
代表的なのが雲南省(ユンナン)です。
標高が高く、気候条件も整っており、中国国内で流通するコーヒー豆の多くがこの地域で生産されています。
最近では、雲南省産の豆を使った商品を見かける機会も増えてきました。
「中国でコーヒーが飲まれている」だけでなく、
原料の段階から関わる土台があるという点も、
中国コーヒー文化が発展してきた要因の一つだと感じます。
中国で広がるローカルコーヒーチェーン文化
中国のコーヒー文化を現地で見ていると、
外資系チェーン以上に存在感を放っているのが、中国発のローカルコーヒーチェーンです。
街を歩いていると、「またコーヒー屋が増えているな」と感じることも少なくありません。
ローカルコーヒーチェーンがここまで広がった理由の一つは、価格が比較的手頃であることです。
毎日飲むことを前提とした価格帯のため、「今日はちょっと贅沢」という感覚があまりありません。
また、中国市場に合わせた独自メニューや、テイクアウト中心で短時間利用しやすいスタイルも特徴です。
通勤途中や仕事の合間に立ち寄る、という使い方が自然に成立しています。
なお、スターバックスは1999年に中国本土へ進出し、現在でも中国で高い人気を保っています。
スターバックスがコーヒー文化の入口を作り、その上で、より日常に近い選択肢としてローカルチェーンが広がった、
そんな流れが見えてきます。
人気の中国のローカルコーヒーチェンブランド
以下に代表的な中国のローカルコーヒーチェーンブランドを紹介します。
Luckin Coffee|中国最大のローカルコーヒーチェーン

Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は、中国で生活していると、最も目にするローカルコーヒーチェーンの一つです。
アプリ注文を前提とした仕組みで、店内に長く滞在するというより、さっと買って次の場所へ向かう人が多い印象があります。
価格もコーヒーチェーンの中では手頃で、「今日はコーヒーを飲もうか」と気軽に選ばれています。現地で見ていると、Luckin Coffeeは、中国でコーヒーが完全に日常化したことを象徴する存在だと感じます。
Manner Coffee|都市生活に溶け込む上海発チェーン
Manner Coffeeは、上海を中心に見かけることの多いローカルチェーンです。
小さな店舗が多く、基本はテイクアウト。
Luckinよりも価格はやや高めですが、外資系チェーンよりは手頃で、
量が多すぎず、本格的なコーヒーが楽しめるため、筆者自身もよく利用していました。
朝の通勤時間帯に立ち寄る人や、仕事の合間に一杯だけ買う人の姿が目立ちます。観光客向けというより、都市で暮らす人のリズムに寄り添った存在という印象です。
Seesaw Coffee|中国スペシャルティコーヒーの代表格

Seesaw Coffeeは、コーヒーの味や品質を重視する人たちに支持されているブランドです。
「中国のコーヒーはどうなのか」と気になる人ほど、一度体験してみる価値があると感じます。
現地でも、コーヒーそのものを楽しみたい人の選択肢として認知されています。中国のコーヒー文化が、量だけでなく質の面でも広がっていることを感じさせる存在です。
人気の中国のインスタントコーヒーブランド
コーヒーは「外で飲むもの」から「日常で楽しむもの」へ。ローカルコーヒーチェーンが増えたことで、コーヒーは完全に日常の飲み物になりました。
一方で、毎日カフェに行くわけではありません。現地で生活していると、家やオフィスでコーヒーを飲む人も非常に多いと感じます。
コーヒーは「外で飲むもの」から、「生活の中で自然に飲むもの」へと変わってきています。そうした流れの中で発展してきたのが、インスタントコーヒーブランドです。
Saturnbird Coffee | インスタントコーヒーブランド
湖南省発の Saturnbird Coffee(三顿半) は、インスタントコーヒーという形でありながら、
デザインや世界観に強い個性があり、若い世代を中心に支持されています。
現地で見ていると、ローカルコーヒーチェーンが「街のコーヒー文化」だとすれば、
Saturnbird Coffeeは生活の中でコーヒーを楽しむ文化を支える存在だと感じます。
永璞咖啡(Yongpu Coffee)
永璞咖啡(Yongpu Coffee)は、中国発のインスタントコーヒーブランドとして、
日常使いのコーヒーを求める層に広く浸透しています。
派手なデザインや強い世界観を前面に出すというより、「毎日飲めるコーヒー」を意識した実用的なラインナップが特徴です。自宅やオフィスで飲むコーヒーとして選ばれることが多く、中国のコーヒー文化が習慣として根づいてきたことを感じさせます。
まとめ: 中国はお茶だけではない、コーヒー好きにも満足できる国
都市部を中心にコーヒーブランドは次々と誕生し、ローカルチェーンやインスタントコーヒーを含めて競争も激しくなっています。その分、新しいメニューや飲み方が常に登場し、街を歩いているだけでも変化を感じやすい環境です。
コーヒー好きの現地在住者にとっては、選択肢が多く、日常の中で気軽に楽しめるという意味で、
中国はとても住みやすい場所に感じられるでしょう。


