ここ数年、中国の街を歩くと「日式料理」の看板をよく見かけるようになりました。
寿司、牛丼、カレー、ラーメン──。
日本の味が、いまや中国でも“日常食”の一部になりつつあります。
この記事では、2025年現在も中国本土で展開している日本の飲食チェーンをカテゴリー別に分け、人気ブランドの特徴や、展開している都市もご紹介します。
寿司・和食系
スシロー(寿司郎)
2021年に広州で1号店をオープンしたお馴染みのスシロー。その後、深圳・成都・北京・蘇州などに拡大し、行列ができる人気店に。照り焼きチキンやエビ天マヨロールなど、ローカライズメニューも充実している。
展開都市: 広州・深圳・北京・成都・蘇州
くら寿司(Kura Sushi)

「環境×デジタル」をテーマに、上海のショッピングモールに出店。
自動レーンや回転レーンを備えたスマート店舗で話題を集めています。
元気寿司(Genki Sushi)

タッチパネル注文&自動配膳で人気の「元気寿司」。
広州・深圳など南部を中心に展開し、若者層に人気です。
展開都市: 広州・深圳
特徴: タッチパネル注文、清潔で効率的な店舗設計。
カレー・洋食系
ココイチ(CoCo壱番屋)

日本のカレー文化を海外に広めた先駆者。
中国でも上海・南京・広州などで展開。辛さ控えめで食べやすい日式カレーが人気。
人気メニュー: チーズオムカレー、ヒレカツカレー
公式サイト: CoCo壱番屋
サイゼリヤ(Saizeriya)
2003年に上海で1号店を出店。
現在は中国全土で300店舗以上を展開。「ミラノ風ドリア」や「ペペロンチーノ」がそのまま楽しめ、若者や家族連れに人気。
日本でのコスパの良さも中国では変わらず、他のイタリアンの価格よりも割安設定。
人気メニュー: ミートドリア、イカのサラダ、ペペロンチーノ
公式サイト: サイゼリヤ公式サイト
牛丼・定食チェーン
吉野家(Yoshinoya)

1992年に中国進出。現在は約700店舗を展開。
牛丼だけでなく、麻辣牛丼やキムチ牛丼など地域限定メニューも展開しています。
展開都市: 北京・天津・上海・瀋陽・大連
公式サイト: 吉野家中国
すき家(SUKIYA)

上海・北京・天津で複数展開。
「温かくて安心できる日本の味」として、デリバリー文化にもマッチ。ファミリー層やオフィスワーカーに人気。筆者もよく行っており、冬に提供していた、スパイスの効いたすき焼き丼が好きでした。
人気メニュー: 牛丼、照り焼きチキン丼、温玉カレー丼
公式サイト: SUKIYA China
ラーメン・麺類系
味千拉麺(Ajisen Ramen)

熊本発の味千ラーメンは、中国で500店舗以上を展開。
とんこつベースの白湯スープが現地の好みにマッチし、中国外食成功例の代表格です。
人気メニュー: 味千拉麺、麻辣とんこつ麺、チャーシュー麺
現地法人: 味千中国控股有限公司(Ajisen China Holdings)
ステーキ・鉄板系
ペッパーランチ(Pepper Lunch)

「自分で焼く体験」が特徴の鉄板ステーキチェーン。
北京・上海の大型商業施設に出店し、若者や学生から人気を集めています。
人気メニュー: ビーフペッパーライス、チキンステーキセット
公式サイト: Pepper Lunch Asia
まとめ:中国で広がる“日本の味”
中国では、「日本の味」が単なる輸入料理ではなく、生活の一部になり始めています。
寿司、牛丼、カレー、ラーメン──。
どのジャンルも“清潔・安心・おいしい”という日本ブランドの強みを活かして成功しています。
これまで中国では、「日本料理=高級料理」という印象が強くありました。
しかし、こうした日本のチェーン店が次々と進出したことで、
手軽に食べられる日本食が定着し、より身近な存在として親しまれるようになっています。
今では、ランチや日常の外食でも気軽に日本の味が選ばれる時代になりました。
また、大皿を注文してみんなで分けて食べる文化が根強い中国では、
日本の「定食」というスタイルはかつて珍しいものでした。
しかし近年、独身世帯の増加や都市部での個食文化の広がりにより、一人でも気軽に食べられる日本食チェーンが、中国のライフスタイルにうまく馴染んでいます。
「ひとりでも安心して食べられる」「清潔で均一な味が楽しめる」という安心感が、多くの中国の若者や働く世代に支持されているのではないでしょうか。
今後は、ラーメンや居酒屋業態を中心に、さらに日本食の広がりが予想されますので、これからも新しい情報をキャッチアップして紹介してきます。

