鱼香茄子とは?
鱼香茄子(yúxiāng qiézi、ユーシャンチェーズ、日本語訳:魚香茄子/ユーシャンナス) は、中国・四川料理を代表する家庭料理(家常菜)のひとつ。揚げたナスを「魚香(ユーシャン)」と呼ばれる甘辛酸っぱい独特の調味で仕上げた料理である。名前に「魚」とあるが、実際には魚は使われておらず、四川地方の伝統的な魚料理の調味法を野菜に応用したことが由来となっている。現在では中国全土の家庭や食堂で広く食べられる定番の家常菜である。
調味の特徴(魚香)
魚香(ユーシャン)は四川料理の代表的な味付けのひとつで、以下の材料を組み合わせて作られる。
- 豆瓣酱(トウバンジャン)
- 醤油
- 砂糖
- 酢
- ニンニク
- 生姜
- ネギ
甘味・辛味・酸味・塩味が調和し、濃厚ながらも食欲をそそる味わいとなる。ご飯との相性が抜群で、中国では「ご飯が進むおかず」として親しまれている。
歴史と起源
魚香の調味法は四川省に起源を持ち、もともとは淡水魚の臭みを消すために生姜やニンニク、唐辛子を多用した料理法だった。やがてこの調味法が肉や野菜にも応用され、代表的な料理として鱼香茄子や鱼香肉丝が生まれたとされる。
バリエーション
- 素食版(ベジタリアン):肉を使わず、ナスと調味料だけで作るシンプルなスタイル。
- 豚ひき肉入り:炒めたひき肉を加えることでコクを増したもの。日本の中華料理店ではこちらが主流。
- 油控えめアレンジ:ナスを揚げずに炒めて仕上げる、近年人気のヘルシー版。
日本との関わりと麻婆ナスとの違い
日本の中華料理店や四川料理専門店でも定番メニューとして広く提供されている。「麻婆茄子」と混同されることもあるが、両者には明確な違いがある。
- 魚香茄子:魚香味(甘味・酸味・辛味・塩味のバランス)が特徴。砂糖や酢を使い、酸味と甘味が際立つ。
- 麻婆茄子:麻婆豆腐のアレンジとして生まれた料理で、花椒の痺れる辛さや豆板醤の辛味が中心。酸味や甘味は強調されない。
このため、魚香茄子は「甘辛酸っぱい炒め物」、麻婆茄子は「痺れる辛さの炒め物」として区別される。
関連項目
- 鱼香肉丝(ユーシャンロースー)
- 四川料理
- 麻婆豆腐
- 麻婆茄子
- 家常菜(中国家庭料理)


