ハノイで、ベトナム料理の香辛料を五感で体験できる新しい文化施設が誕生しました。旧市街にも近いチャンフンダオ通りにあるZero Gallery(ゼロ・ギャラリー)です。
最初の展示テーマは、ベトナムを代表する麺料理「フォー」。八角やシナモン、ショウガなどの香りを、見る・嗅ぐ・触れる・聴くという体験を通して学べます。
この記事では、Zero Galleryの見どころ、フォーに使われる香辛料、入場料金、営業時間、アクセスを、公式サイトと現地報道をもとに紹介します。ハノイで新しい観光スポットを探している方や、雨の日でも楽しめる屋内施設を探している方は参考にしてください。
この記事の情報は2026年9月時点のものです。営業時間や料金、展示内容は変更される場合があります。訪問前にZero Gallery公式サイト・公式Instagramで最新情報をご確認ください。
Zero Galleryは、ベトナム文化を五感で楽しむ体験型ギャラリー
Zero Galleryは、展示物をガラスケース越しに眺める一般的な博物館とは少し異なります。光や香り、音、触覚を使った仕掛けを通して、来場者自身がベトナム文化の物語に入り込む「インタラクティブ・カルチャースペース」です。
施設はハノイ中心部のホアンキエム区、15B Trần Hưng Đạoにあります。現地報道によると展示空間は約200平方メートル。Zero Galleryは2026年8月に始動し、その最初の章としてベトナムの香辛料を扱う「Spice Ship」が公開されました。
第1弾の題材に選ばれたのはフォーです。来場者は宇宙飛行士になったような設定で、未来のロボット「Zero」とともに、失われないよう保存されたベトナムの香りと食の記憶をたどります。
「Spice Ship」で体験できる5つの展示

展示は、フォーの味を形づくる香辛料をさまざまな感覚から理解できる構成です。現地報道で紹介されている主な体験を見ていきましょう。
1. 香辛料を360度から観察する「Optic Vault」
視覚をテーマにしたエリアでは、香辛料の標本を画面上で360度回転させながら、形や産地、特徴を観察できます。塩とコショウで作られた牛や豚の彫刻も展示され、身近な調味料がアート作品として再構成されています。
2. 香りを体験する「Aroma Vault」
香りのエリアでは、配管とディフューザーを使って抽出された香辛料の香りを体験できます。「テト」と「フォー」を題材にした香る絵もあり、センサーに顔を近づけると、それぞれの作品に結びついた香りが広がる仕組みです。
3. 産地や加工方法を手で学ぶ「Haptic Chamber」
触覚を使う部屋では、原料が育つ地域、土壌条件、栽培や加工の工程を学べます。同じ香辛料でも、育った土地や加工方法によって香りや味が変わることを、体を動かしながら理解できる展示です。
4. フォーを作る音を再現する「Sonic Relay」
音をテーマにした空間では、光のビームに手を触れたり、手をかざしたりすると、洗う、刻む、炒める、煮込むといった調理音が再生されます。料理を完成品として見るだけでなく、厨房で生まれる音まで食文化の一部として伝えているのがユニークです。
5. 香辛料と記憶を結ぶ物語空間
最後の空間では、ロボットZeroがベトナムの香辛料を集め、未来へ残していく物語をたどります。家庭の台所に漂う香りも、保存するべき文化的な記憶になり得る——そんな視点が展示全体をつないでいます。

展示空間に隠されたベトナムらしいデザイン
Zero Galleryの面白さは、デジタル技術だけではありません。近未来的な宇宙船の世界観の中に、ベトナムの伝統的な造形が自然に組み込まれています。
- 香辛料をめぐる旅の起点となる「Spice Ship」は、ベトナムの円錐形の笠ノンラーをイメージ
- 発射台の下には、古代ベトナム文化を象徴するドンソン銅鼓の文様を使用
- シナモン、ショウガ、八角を「香辛料の小惑星」として表現
- 本物の唐辛子を素材にした、高さ約1.25メートルの龍の彫刻を展示
昔ながらの民族資料をそのまま並べるのではなく、伝統意匠をSF的な空間へ翻訳している点は、建築やインテリアが好きな人にも見応えがありそうです。
フォーの香りをつくる代表的な香辛料
フォーというと米麺や牛肉、鶏肉に目が向きがちですが、スープの印象を決めるのは複数の香辛料です。店や地域、家庭によって配合は異なりますが、牛肉のフォー「フォー・ボー」では、次のような素材がよく使われます。
| 香辛料 | 特徴 | スープでの役割 |
|---|---|---|
| 八角 | 甘く、少し薬草を思わせる香り | フォーらしい華やかな香りの中心 |
| シナモン | 甘さと木質感のある香り | 牛骨スープに奥行きを加える |
| ショウガ | 爽やかな辛みと香ばしさ | 肉の香りを整え、後味を引き締める |
| クローブ | 強く甘い芳香 | 少量で香りに深みを出す |
| コリアンダーシード | 柑橘を思わせる穏やかな香り | スープに軽やかさを加える |
こうした香辛料は、そのまま煮込むのではなく、乾煎りして香りを立たせてからスープに加えることもあります。Zero Galleryを訪れたあとにフォーを食べると、これまで一つの「フォーの香り」として感じていたものを、八角やシナモンなどに分けて意識できるかもしれません。
ベトナムで朝に食べられている麺やごはん、地域ごとの違いは、ベトナムの朝ごはん文化と定番メニューで詳しく紹介しています。
Zero Galleryの営業時間・料金・住所
| 施設名 | Zero Gallery(ゼロ・ギャラリー) |
|---|---|
| 展示 | Spice Ship(第1弾テーマ:フォーとベトナムの香辛料) |
| 住所 | 15B Trần Hưng Đạo, Hoàn Kiếm, Hà Nội |
| 営業時間 | 毎日10:00~21:00 |
| 一般料金 | 250,000VND |
| ベトナム人一般 | 200,000VND(VNeIDの提示条件あり) |
| 学生 | 175,000VND(学生証の提示条件あり) |
| 子ども | 150,000VND(身長80~140cm)/80cm未満無料 |
| 問い合わせ | 038 704 6664/info@zerogallery.com.vn |
| 公式サイト | Zero Gallery公式サイト |
Zero Galleryへのアクセス
Zero Galleryがあるチャンフンダオ通りは、ハノイ中心部のホアンキエム区にあります。ホアンキエム湖や旧市街の南側に位置するため、中心部の観光と組み合わせやすい立地です。
初めてのハノイ旅行なら、配車アプリのGrabで「Zero Gallery」または住所の「15B Trần Hưng Đạo」を指定するのが分かりやすいでしょう。徒歩で向かう場合は、同じ通りや似た番地と間違えないよう、地図で入口の位置を確認しておくと安心です。
どんな人におすすめ?
- フォーやベトナム料理が好きな人
- 香辛料や食文化の背景を知りたい人
- デジタルアート、建築、空間デザインが好きな人
- ハノイで新しい観光スポットを探している人
- 暑い日や雨の日に楽しめる屋内施設を探している人
- 子どもと一緒に体験型の文化施設へ行きたい人
とくに、料理を「食べる」だけでなく、土地や歴史、香りまで含めて知りたい人に向いています。一方、展示解説の日本語対応状況や、館内を回る所要時間は公式サイト上で明確に確認できないため、今後も情報が分かり次第更新します。
Zero Galleryと組み合わせたいハノイの過ごし方
展示を見たあとは、実際にハノイの街でフォーを味わう流れがおすすめです。香辛料の特徴を知った直後なら、スープに感じる甘い香りや、焼いたショウガの風味にも気づきやすくなります。
- 午前中にホアンキエム湖や旧市街を散策
- 昼食にフォー・ボーまたはフォー・ガーを食べる
- 午後にZero Galleryで香辛料の展示を体験
- ベトナムコーヒーのカフェで休憩
濃く抽出したコーヒーと練乳を合わせる独特の飲み方や注文方法は、ベトナムコーヒー完全ガイドもあわせてご覧ください。
Zero Galleryについてよくある質問
Zero Galleryは博物館ですか?
ベトナムの香辛料を扱う「Spice Museum」として報道されていますが、公式にはインタラクティブ・カルチャースペースと表現されています。歴史資料を中心にした一般的な博物館というより、デジタル技術と五感を使って文化を体験する有料ギャラリーです。
予約は必要ですか?
公式サイトでは料金が案内されていますが、訪問日時の予約が必須かどうかは明記されていません。混雑が予想される週末や祝日は、公式サイトまたは公式Instagramで最新の購入・予約方法を確認してください。
子どもも入場できますか?
子ども料金が設定されており、身長80~140cmは150,000VND、80cm未満は無料です。光、香り、音、触覚を使う体験型展示なので、親子の文化体験にも選択肢となります。
展示の説明に日本語はありますか?
2026年9月時点で、日本語解説の有無は公式サイト上で確認できません。英語・ベトナム語を前提に、スマートフォンの翻訳機能を準備しておくと安心です。
まとめ|フォーを食べる前後に訪れたい、ハノイの新しい文化スポット
Zero Galleryは、八角やシナモンといった香辛料から、ベトナムの食文化を読み解く新しい体験型施設です。香りを嗅ぐ、調理の音を鳴らす、産地や加工方法に触れるという展示を通して、普段何気なく食べているフォーが、土地と人の記憶から生まれた料理であることを伝えています。
ホアンキエム湖や旧市街から足を延ばしやすく、毎日21時まで開館しているのも旅行者にはうれしいポイント。ハノイの定番観光に食文化と現代的な展示体験を加えたい方は、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
参考資料:Zero Gallery公式サイト、Nhan Dan「Spice Museum tells story of Vietnamese culture through multisensory technology」(2026年9月12日)






