以前、ベトナムで使えるアプリでも紹介した事のあるベトナムのEC。もちろん東南アジア全体と比べた市場規模は、シンガポールやタイといった大国にはまだ及ばないが、e-Conomy SEA 2019 レポートによると、ベトナムのEC市場は2019年には、5億USDに達したと発表し、2015年と比べて81%もの成長を遂げたと発表されている。

今後の成長率やポテンシャルなどから見たら、投資先として各国の投資家から注目されている東南アジアの国であることは間違いないと考えられる。

今回の記事では、そんな更なる発展が期待される東南アジアのベトナムのEC市場の特徴について、8つのポイントにまとめて見ました。今後ベトナムでのECビジネスを考えている方などの参考になれば幸いです。

高い成長率

eMarketer 2019 によると、ベトナムの2020年のEC予測成長率は、8.5%となっており、インドの次に大きく、3位のインドネシア6.7%と1.2%も差をつけている。日本はと言うと0.5%と他の国と比べると圧倒的に低い事がうかがえる

No1.プラットフォームはShopee, ローカル系のブランドが上位へ

東南アジアの2大ECプラットフォームといえば、LazadaとShopeeだが、ベトナムでは、Shopeeの方が市場シェアが高い。 シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアといったほとんどの国でのアクティブユーザー数No1を誇るLazadaだが、ベトナムでは2位となっている。また、ベトナムローカル系のECプラットフォーム、Sendo、Adayoi、Thegiodidongなどが人気なのも特徴的だ。

引用: iprie
引用:iprice

月々のウェブサイトのトラフィック数では、LazadaはSendoやthegiodidong、Tikiといったローカル系のプラットフォームにも負けていおり、ここ数年でのベトナムのローカル 系ECの成長が大きい。

ソーシャルEコマースが人気

ベトナムでの人気のSNSはyoutube、facebookで次にベトナム発SNSのZaloだ。
facebookはベトナムで一番人気のSNSとなっており、。ベトナム人の79%のユーザーがSNSを通して何か購入した事があると答えており、ソーシャルコマースで人気のカテゴリーは、一位がファッションで2位がコスメとなっている。

引用: Q&Me
Most Active Social Media Platforms
引用: Hootsuite

実際に私の利用している同僚のベトナム人がいたが、その子もコスメを海外在住のベトナム人の人から購入していた。なぜfacebookを利用したのかと聞いたら、ベトナムのECサイトではブランド物かどうか信頼できない。そのためブランドかどうかが重要となるコスメがソーシャルコマースでは人気な様だ。

エレクトロニクスとファッションのカテゴリーが強い

ECでの人気のカテゴリーは、一位がエレクトロニクス、2位がファッションだ。 IT系の会社で働いていた筆者も、同僚のエンジニア達がPC関連商品などを仕事中にも関わらずよく配達してもらっていた。

なぜECで買うのかと聞いたところ、実店舗よりも安いし、製品についてのレビューなどが得やすいから他のものよりECで購入しやすい商品だ。といっていた。

コロナ後の消費変化へ注目

ただ、この傾向はコロナの影響で変化が起きている。ベトナム経済にも大きく打撃を受け、ベトナム人の所得が減少し、ECでの消費傾向にも影響を与えている。実際にEC上でのファッション関連の売上はコロナ後では減っているというデータがあり、今後は日用品やヘルスケア用品の需要が伸びるだろうと予測される。
エレクトロニクス製品においては、コロナ後はこもり需要で伸びた売上が成長しており、今後も成長が期待されるジャンルだと考えられ

まだまだ現金支払いが主流

様々な分野でデジタル化が進む中、ベトナムではECでの支払いにはまだCash-on-Delivery という、到着した際に現金で払う現金払いが根強く浸透している

 引用:GlobalData

GlobalDataの調査によると、ECでの支払いに現金を選ぶ人は全体の約35%もいることがわかった。日本同様に、最近ではmomo,Moca,GrabPayといったキャッシュレス支払いが進んでおり、色々なレストランでキャッシュレス支払いができるようになってきたが、ECの支払いで現金を好むユーザーが多い理由の背景には、ベトナムのECの問題点が挙げられるのではと考えられる。

物がきちんと届いてから払うが常識

私も在住中にはECを利用して物をよく購入していたのだが、ある時届いたものが壊れており、返金をお願いした事があった。しかしクレジットカード払いだったため、返金までに時間がかったり、問い合わせに対する返事が遅かったりCSのサービスには不満が残っていた。その事をベトナム人の同僚に話したら、「絶対クレジットカードで支払ってはいけない。キャッシュの方が安全、物がきちんと届いてから支払うのが常識。」と言う事を言われたのを覚えており、その後はクレジットカード払いはなるべく選択しないようにしなった。

この様に、誤送が多い現状や、その際のCSの対応の悪さなど、配送面でのユーザーの不安や不満が現金支払いを好むユーザーの多さを招く要因になっているのではないかと考えられる。

配達サービス、インフラなどに改善の余地

上記で挙げた、誤送や到着時の破損などに問題がある現状に加え、ipriceのアンケート調査によると、東南アジアの34%のユーザーがECの配達に関して不満を持っており、90%以上のカスタマーが配送サービスに関わるネガティブなフィードバックをしたという調査結果がある。

引用:iprice

ベトナム平均配達日数に関しては5、6日となっており、タイの2.5日、シンガポールの3.3日といった他の東南アジアと比べて大変遅い事がわかった。配達が遅くなればなるほど低い評価をあげている事から、顧客の満足度と配達日数が大きく関係している事がわかり、今後も顧客満足度をあげる事が課題となりそうだ。

EC関連スタートアップの成長の兆し

これらの配送サービスの問題点を商機ととって成長しているベトナムのスタートアップが最近注目をされ始めている。Loshipと言うローカルスタートアップ企業は、2015年にオンラインフードレビュープラットフォームとしてスタートしたが、現在ではEC、フードデリバリーや配車、洗濯サービスピックアップなどとサービスの幅を広げていっている。最近では、1時間以内配達など、巨大ECサイトのマイナス面を打ち出すサービス、超速配達サービスを打ち出し、急成長を遂げている。Loshipは顧客満足を重視しており、高いレビューや評価が強みとして大手のECと差をつけようとしており、こういった特徴のあるEC関連のローカルスタートアップが益々増えていくのではないかと予想されている。