Trend1:下級都市に住む 「YoungFreeSpenders」層が、中国の経済成長を支えている

今年に入り、YoungFreeSpendersというカテゴリーに入る下級都市に住む若い消費者層が注目を浴びている。彼らは中国の下級都市(2,3,4級)に住む、生活費が低い地域に住んでいるデジタルネイティブ世代だ。

彼らの特徴としては、未来に楽観的で、高いスキンケア商品、海外ブランド品、ハイテクデバイスなどに対して、お金を躊躇なく使う。 そして通勤までの時間があまりかからない彼らは、5、6時には会社から帰宅し、その後友達と外食し、SNSで気になる商品をチェックして、気になる商品をオンラインショップで購入し、SNSで購入したものをアップしたり、自分のライフスタイルを充実させる事に余念がない。

彼らは、高いもの=品質が良いという認識を持っており、また将来への貯蓄への関心が低く、稼いだお金のほとんどを、QOLを向上させる高価な消費につぎ込む。これらの特性を持つYoungFreeSpendersと呼ばれる消費者層が中国の今の経済成長を大きく支えているのだ。

一方で上海や北京といった1級都市に住む人たちは、通勤時間も長く、仕事も忙しく、時間の余裕も下級都市に住むYoungFreeSpendersに比べ少なく、また生活費にお金がかかるため、消費が控えめになり、 多くの消費者が節約傾向ににある。

一見、1級都市に住む消費者の方がお金に余裕があり消費をしていると思われがちだが、時間的、金銭的な余裕、共に下級都市(2,3,4級)に住むYoungFreeSpenders層の消費者の方があり、積極的な消費活動を行なっているというのが今の中国の消費トレンドのひとつだ。

Mckinseyが発表したデータによると、2017年から2018年においての消費の成長の60%が人口の僅か25%しか占めないYoungFreeSpenders層が支えているというデータがある。 またこの傾向はほとんど全てのカテゴリーにおいて現れていると言える。

中流階級世帯の増加

この傾向の背景には、下級都市に住む中流階級世帯が増えた事が挙げられる。 データによると、下級都市に住む年間可処分所得が140,000 ~ 300,000 RMB の世帯が2010年から2018年にかけて23%も上昇した。 現在では、これらの中流階級は下級都市の人口の34% 以上を占めるという統計がある。そしてこの数字は、5年前の一級都市の中流階級の比率とほぼ同じとなっているのだ。

参照:China consumer report 2020: The many faces of the Chinese consumer

Trend 2: ヘルスケアへの関心の高まり

ストレスの高まりや、都市の環境汚染などから、消費者は健康やライフスタイルと関連している商品へ消費する傾向があることがわかった。

特に健康に関心がある消費者が注目を向けているカテゴリーは食品だ。これは、中国全土でにおいて見られる傾向だが、1級都市においては顕著といえる。約60%の消費者が、購入前に必ずパッケージの材料表示を確認しており、健康に害を及ぼしそうな物が含まれている場合は購入を控えるというデータがある。
25のカテゴリーの中で特に顕著なものは、フレッシュミルクとヨーグルトだ。
特にYoungFreeSenderの消費者層は、自然由来材料入りのヨーグルトを買う傾向があるようだ。55%の消費者が、自然由来の材料が入っていることが購買においての1番の要素となっている。

参照:China consumer report 2020: The many faces of the Chinese consumer

Trend 3: 旅行に対しての意識の変革と国内旅行の高まり

集団で来日し、爆買いをして帰国して行く中国旅行客はひと昔の話のことで、消費重視の旅行から、体験重視の旅行へと、中国の旅行者の意識は変わりつつある。

中国の中流階級層も増え、ますます中国人は旅行をするようになった。特に国外よりも国内旅行の成長率がコロナの前から傾向としてある。
また、これまではツアー旅行が主流だったが、近年では個人で旅行を計画する個人手配旅行が増えた。国内旅行においては、60%の人が10年前までが主流だったパッケージ旅行より、個人手配旅行を好むことがわかった。特にこの事が顕著なのは、1級都市に住む消費者だ。(80%の一級都市に住む消費者が個人手配旅行を好むと回答している)

また、パッケージツアーを選ぶ場合は、少人数で、ハイエンドのラグジュアリーツアーを好む傾向があることもわかった。

主な旅行先は、国内がメジャーで、特に雲南省、四川省がトップの旅行先だ。

一方で1級都市に住む人は、下級都市の人よりも冒険心が強く、中国国外への旅行する人が多い。そしてその期間も8日間以上が多いとされている。

主要な国外旅行先は、香港や台湾、マカオといった大中華圏(Greater China)、または日本や韓国といったアジア圏内が多くなっている。

参照:China consumer report 2020: The many faces of the Chinese consumer
参照:China consumer report 2020: The many faces of the Chinese consumer

Trend4 : ハイエンドな中国国内ブランドが人気

グッチのサングラスを着こなし、ベンツに乗り、ゴディバをおやつに食べる、といった西洋ブランドを消費する事が、富の象徴として、裕福な家庭のステータスとされ、一方中国国内ブランドは、貧乏の象徴、ダサい、とレッテルを貼られていた時代が変わろうとしている。

今や中国国内ハイエンドブランドは、デザイン品質ともに大きく向上し、中国国民の間ではクールで富の象徴とまで、レベルアップ

特に今の消費者は、プレミアムなものを消費をする場合、19のカテゴリーのうち13が、海外ブランドの物よりも中国国内ブランドのもの好んで買うという事がわかった。カテゴリーは、生活必需品などのベイシックなアイテムから、スマホなどのデジタルガジェット、スキンケア、赤ワイン、コスメなどに広がりを見せている。同時に中国の消費者は、ブランドの原産地に対して、あまり正しい認識をしていないことがわかった。多くの消費者が、中国で長く流通してきたブランドは中国のブランドだと認識している人が多く、消費者の半分もの人が
7-UPが中国のブランドだと思っていた、またヤクルトにおいても同じことが言えた。

また、逆の事も起きており、海外仕様にパッケージされている商品、LeConteChocolateやBeingMateの乳児用粉ミルクなどは、42%もの消費者が海外ブランドだと認識していたという結果もある。

参照:China consumer report 2020: The many faces of the Chinese consumer

まとめ

近年までは、1級都市で膨大なマーケティング活動を行っていた企業がほとんどだと思われるが、これからは下級都市に住む消費者の消費拡大トレンドに注目し、投資を行うことが成長戦略の鍵となるだろう。
YoungFreeSpenders層を調査し、彼らをターゲットとしてマーケティング活動を行うことは、これからどのカテゴリーにおいて必須になってくるからだ。

また、近年のヘルスケアの関心の高まりに注目し、これからも新しいサービスや消費やブランドが生まれてくると想定され、これらのトレンドを自社の商品とどう関連付けられるかも、重要になって来るだろう。

参照:https://www.mckinsey.com/featured-insights/china/china-consumer-report-2020-the-many-faces-of-the-chinese-consumer#